武蔵小杉タワーマンションの浸水後の後悔!中古価格は下落

2019年の台風19号は都心マンションの欠点を明らかにしてしまった。

関東エリアの河川の工事は、関東以外の地域よりも格段に進んでいたおかげで、被害はこのレベルに

おさまったのではないかとも考えられる。

 

「武蔵小杉」といえば、住みたい街ランキング上位に、登場する人気のエリアです。

その人気エリアに立つタワーマンション、しかも築11年しか経過していない新しい物件が被災した。

浸水と停電と断水。

入居者はパニックになったに違いない。

築後11年のまだまだ新しい高級タワーマンションで、停電と断水がおきるなど、誰も想像していなかっただろう。

 

 

目次

武蔵小杉タワーマンションの浸水は地下電気室?オーナーは後悔しているかも知れないが・・・

マンション イメージ

タワーマンション イメージ

12月初旬現在、復旧対応は、ほぼ完了したようだ。

しかし、電力自体は、まだ30%〜50%の稼働率ということから、タワーマンションのセールスポイントの一つである共用部施設(ゲストルームなど)には、未だ十分な状況とは言えない。

スプリンクラーの復旧は未だ完了していないようだし、完全な状態に復旧するには、未だ時間が必要だと思われます。

 

しかし、ほとんどのマンションは、電気室を地下に設計している。

ということは、河川に近い立地のマンションでは、日本全国何処にでも起きる可能性があるということです。

 

修繕費用

不動産業界に身を置く者として、気になるのは、今後のことです。

築11年のタワーマンションということで、長期修繕の積立が十分ではなかった時点の被災です。

通常、築11年で大規模修繕をする事はないので、物件所有者の修繕金の負担は当初10年くらいはわずかです。

 

その時点で、今回の被災を考えれば、相当な金額を先払いしたことになるはずです。

管理組合の積立金だけでは不足し、借入をおこしている可能性があります。

その分の所有者負担がこれから明確になっていくはずですが、物件購入当初は緩やかな負担増をイメージし計算されていたはずです。

その補填をするために、修繕積立金の負担増は前倒しになるでしょう。

 

オーナーは後悔しているかも知れないが・・・

もう一つの問題は、今回の被災で、どの位の資産価値低下になるのかです。

通常分譲マンションは、特に何も無くとも、個人個人の生活の変化・状況の変化により、竣工から間もなく、年に2%ほどの物件が売却市場に出てきます。

 

パークシティ武蔵小杉ステーションフォレストタワーの場合、総戸数647戸ありますので、平均的目安としては、年間で12戸〜13戸が売却されている計算になります。

この物件は、武蔵小杉駅への距離も近く、中古市場でも価格は微増傾向でありました。

しかし、今回の事故の影響は必ず出てきますので、果たして、どの位までの下落幅になるのかが、非常に気になります。

 

後悔しているオーナーは多いかも知れない。

しかし、今回の台風被害は予測は出来なかったと思う。

 

マンションは戸建と違い、自然災害には強いイメージがあるが、想定以上の強さで自然の脅威があった場合は、逆に被害の数は増えてしまいます。

マンション購入時点で、そこまでのレベルの災害を想定すべきなのかは、なんともいえない。

そういう対策がなされていれば、購入者の立場では、安心できると思うが、50年に一度来るかも知れない被災対策がされ、その分、高価格になってしまうマンションを購入したいと考える人たちが多くいるとは、想定できない。

 

武蔵小杉のタワマンは都心アクセスが抜群な優良物件のはずだった

 

 

物件は「パークシティ武蔵小杉ステーションフォレストタワー」。

2008年10月に完成した643戸の大規模タワーマンション47階建。

京急東横線と南部線の2アクセスが可能であり、共に徒歩2分・3分という快適さ。

大規模タワーマンションのスケールメリットが、共用部にもたくさん設置された、超高級マンションのはずであった。

しかも未だ築11年。

事業主は、三井不動産レジデンシャル・三井都市開発・新日石不動産という、大手企業のJVである。

欠点のないマンションであるどころか、優良物件として認知されていた。

 

 

今後のマンション売却時の評価は

 

 

全国各地で、被災した土地エリアの物件評価や売却価格は、残念ながら、やはり下落しています。

 

地震の被災によって、建物に亀裂が入ったり、家がかたむいてしまった一戸建ての売却を筆者の会社でも扱うことがあります。

しかし、不動産仲介の立場から、中古価格の査定をする際には、大変残念ですが、建物に価値・価格を設定することは、していません。

 

もしも、地震の揺れで、基礎に影響が出ている場合(亀裂や傾きはほとんどそうです)に、中古住宅として売却することは困難であると所有者に伝えます。

家の大きさによりますが、家の傾きを直す工事は500万円前後の費用をかければ、治すことは出来ます。

ただし、売買の条件合意の中で、そういうことがあったのだと売主は告知をしないといけません。

 

すると、500万円規模の補修費をかけて直していたとしても、買主の決断はなかなか前に進みません。

買主の不安は、解決しません。

建物を解体して、土地で売却をすることを提案するケースが多いです。

 

今回の武蔵小杉のマンションのような事例であれば、当然売却相手の買主に、台風の被災により、停電と断水を起こし、泥水が流れ込んだ事例があることを次の購入者に告知する必要があります。

今後、実際にどれくらい価格下落の結果、売却されていくものか、注目したいと思います。

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